328日目-333日目 大航海日誌 其の参

Panamá City➡︎Cartagena 

-航海日誌 四日目五日目-

島に着くまでは、本当に暇です。皆、思い思いに時間を潰します

僕が持っている本といえば、スペイン語の教科書くらいです。がんばって勉強します

今日は風が強いからか、飽き始めた乗員の気を惹く為か、帆を上げます

帆を上げるクルー達を見るととてもたくましく、"航海"らしさが醸し出されます

潮焼けしたその顔も、海に生きる'男の証'です

画になります

島に着いてやることはただ一つ、シュノーケリングのみ

楽しいのだけれど、既に飽き始めています。'モリ'があればもっと楽しめるのに、とコスメル島で過ごした"狩猟部"を思い出します

船の看板犬'ミスティコ'は、元気に船を飛び出して、島へ一目散に泳いで行きます

'犬掻き'とか、本当に器用なものです

余りにも綺麗な海を前に「退屈だなぁ」なんて言ったら贅沢ですね

誰かに殴られそうです

適当に遊んで時間を潰していると、突如開かれる'Briefing(状況説明)' 

英語が達者でない僕の理解する範囲では

・今夜は新月で真っ暗な為、もし海に落ちても助けられない

・海が非常に揺れて体調不良者が出る

・リバース選手権を開催する

と、言うことです...はて

状況を良く理解しないまま、船は島を離れます。すごいスピードでっ!!!!!!

今まで船酔いとかそんn.....やばい、無理dんl

'El Gitano Del Mal"号が本気を出したその瞬間、僕が出来る最大限の方法は必死に込み上げるものを堪えて横になることです

地獄の始まりです

それから何時間経ったでしょうか。

継続的に襲う吐き気で脂汗にまみれ、身体を起こすことさえままなりません

夕食も次の日の朝食、昼食も薄目にしか見ていません

助けて...気持ち悪い...晩御飯はなんだろ...いっそ沈没してくれ...

と、思考は混乱状態です

ちらと横を見ると、崎山さんも同じくぐったりしています

欧米人は揃って、食卓を囲んでいます。恐るべしクラブミュージック...

4日目の夕方、心無しか波が穏やかになりと同時に周囲がざわつき始めました

どうやら南米大陸が見えている様子です

でも、写真なんかとても撮れるような調子でもないので、ただただぐったりとしていました

コロンビアの港カルタヘナに停泊して、しばらく経った頃ようやく調子が戻ってきました

カルタヘナ...意外と大きいです。コロンビア最大の観光都市らしいです

遂に到着した南米大陸に、崎山さんは何を思うのでしょうか

苦節約11ヶ月、遂に南米大陸に足を踏み入れました

しかし、ボートから陸上へ移ったその一歩は、余りにも憔悴し切った、頼り無い一歩でした

地上に戻ってからも、突如地面が揺れて、ふらふらしてしまいます

4日間丸々船上で過ごし、三半規管が麻痺しているようです

イミグレーションを済ませ船内に戻ります

カルタヘナの港は夜遅くまで、煌々と僕等を照らすのでした

カリブの大航海、此れ以って終了

海路でのコロンビアへの渡航ですが...

約$US600を捻出する価値があったかと言うと、どちらとも言えないです

良かった点

・透明度の高いカリブ海の島々'サンブラス諸島'でシュノーケリングが出来た

・船でクルージングという貴重な体験

・自転車を畳まずに、人と自転車を輸送出来た

悪かった点

・船酔い

・欧米人の'宴'

・言葉の壁による疎外感

経験者からのススメ

・なるべく少人数の方 

 アットホーム感が出ます。実際、4日目に大半が降りた後は、格段にコミュニケーションが増えました

・暇を持て余す道具などを携帯しておく

・どうせなら日本人同士や気兼ねの要らない友人と一緒に

'船酔い'も後になれば只の笑い話です。今これを書いている時点でまだ、くらくらしているんですけど

-リバース選手権のルール-

0. キャプテンの独断で強制参加。賭け金は$US1

1. 乗員全ての名前を紙に書き、年齢順にその名前が書かれた紙を引きます

2. 船を全力疾走させます

3. 船を停泊させたところで、最初にリバースした人を確認します

4. 3.で確認した人の'紙'を持った人がリバースしていなければ、総取り。リバースしていれば、勝者無し

となります。僕は何とかリバースせずに済みましたが、勝負には負けました

納得いかない